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2024年度日本建築学会大会が明治大学駿河台キャンパスにて開催されるにあたり、大学を代表し一言ご挨拶申し上げます。

本学の駿河台キャンパスが立地する御茶ノ水は、多くの教育機関が立地する学生街として知られており、都心にあっても歴史や文化が感じられる独自の都市空間を形成してまいりました。本大会のテーマは「建築と暮らす」ですが、世界最大の古書店街ともいわれる神保町、明大通りを中心とした楽器街、個性豊かな飲食店街、神田祭で知られる神田明神など、歴史や文化が積層されたようなキャンパス周囲の街並みは、まさに住民や学生の暮らしとの関わりの中で育まれたものと言えるでしょう。

さて、明治大学は1881年に明治法律学校として創立され、1886年に駿河台に移転して以来、140年近くにわたって、この地で教育・研究活動を続けてまいりました。そして、現在は4つのキャンパスに10学部16研究科を擁し、3万人を超える学生が学ぶ大学へと発展してまいりました。また、志願者数が3年連続10万人を超えるなど、志願者に最も支持される大学の1つとして、日本を代表する総合私立大学となっています。その中でも、建築学科は、1949年の工学部設立と同時に開設され、設立当初は駿河台キャンパスに校舎を構えていましたが、その後1965年に生田キャンパスへと移転し、組織や施設を発展させて今日に至っています。また、2013年には大学院にI-AUD(現在の建築・都市学専攻国際建築都市デザイン系)を開設して、UNESCO-UIA建築教育憲章に準拠した国際通用性を有する建築教育を提供するなど、本学の国際化を牽引する特徴ある教育プログラムの1つとなっています。加えて、建築学科開設の3人の立役者の一人である堀口捨己は、駿河台、和泉、生田の3キャンパスで校舎建築を設計するなど、戦後の本学の発展にも関わりました。そのような意味で、駿河台キャンパスは、建築学科にとっても歴史的な繋がりのある場所です。

日本建築学会は、1886年に創立され、その会員数は3万6千人余を数えるなど、日本を代表する工学系学会であります。その日本建築学会大会(関東)を、本学駿河台キャンパスにおいて、8月27日〜30日の4日間、多くの会員の皆様をお迎えして、開催できることを非常に嬉しく思います。

最後になりますが、実行委員会の皆様はじめ、日本建築学会大会の開催にあたりご尽力いただきました皆様に心より御礼申し上げます。また期間中に学術的な交流が活発になされ建築学の今後ますますの発展に寄与することを祈念し、ご挨拶とさせていただきます。

明治大学学長
上野正雄

日本建築学会は、建築に関する学術・技術・芸術について、その発展を図ることを目的として1886年(明治19年)に創立され、今年2024年で138年目を迎えます。会員数は約3万6千人を擁し、我が国の工学系の学会としては最も長い歴史を持つものの一つです。社会貢献を続ける学術団体として活発に活動し、我が国の建築家においてつねにリーダーシップを発揮してまいりました。毎年開催される全国大会は、その最も大切な行事の一つで、約1万人の会員が集い、総計7千題を超える学術講演、建築デザイン発表会、関連する多くのパネルディスカッションや研究協議会などが開催されてきました。2020年~2022年はコロナウイルス感染症対策のためオンライン開催やハイブリッド開催を余儀なくされてきましたが、昨年より個別の各学術講演、建築デザイン発表会の対面実施が再開され、建築学を志す学生の方々にも日本中の研究者や先生の前で直接発表できる機会が与えられ、緊張感の中にも想い出に残る貴重な経験が再びできるようになりました。

東京中心部で開催される今年の大会のメインテーマは「建築と暮らす」です。環境問題や災害リスク、人口減少に直面する我が国の状況の中においても、東京は絶えずスクラップアンドビルトを続けながら変化を続けています。その目指す先に何があるのか、我々はどのように今後、建築と付き合っていけばよいのか、我が国の首都にふさわしい品格を備えるためには何が必要か、新築・改築・改修を含めた様々な技術の応用、素材から環境・防災、歴史からまちなみ、景観のあり方まで様々な切り口での議論がなされることを期待します。そして、その変化を体感し、発表・討論を通じた交流と思い出づくりを是非、楽しんでいただければと思います。

日本建築学会会長
竹内 徹

2024年度の日本建築学会大会は明治大学駿河台キャンパスを主会場として実施されます。関東支部が前回担当した2020年の千葉大学での大会はCOVID-19のパンデミックの猛威を受けて残念ながら中止となったことは記憶に新しいと存じます。それから四年を閲して再び平常を取り戻すことができ、普通に生活できることのありがたさを再認識された方も多いのではないでしょうか。

今回、会場を提供いただいた明治大学の皆さま、大会実施のためにご尽力いただいている明治大学理工学部建築学科の先生方、本会関東支部の役員および各種研究委員会の皆さま、そして本大会を盛り上げるためにご協力を賜っている近隣の関係各位には心より御礼を申し上げます。本会大会の規模の大きさと様々な事業が輻輳して実施される複雑さに思いを馳せるとき、皆さまの献身的なご努力に対して満腔の敬意を抱きます。この大会を成功裡に終えられますように最後までよろしくお願いをいたします。

今回の大会は交通至便な東京都心で開かれますが、高層建物に集中しての開催はおそらく初めてのことと思います。その立地のよさから明治大学の主会場まで最寄り駅から徒歩5分ほどで着くものの、そこからエレベータ等を利用して上階に移動する必要があります。時間帯によっては参加者が集中して垂直導線の混雑が予想されますので時間に余裕を持ってご参加ください。明治大学のスローガンは「前へ!」ですが、本大会のそれは「上へ!」だと密かに思っています。

昨年の京都大学での大会において新たに導入された方法を今回も踏襲して、対面とオンラインとの併用で大会を実施し、参加費等の徴収では現金の授受を行いません。このように先駆者の工夫のよいところを受け継ぎながらも、細かいオペレーションは見直して、皆さまが快適に参加できるような大会を目指しています。会場のある御茶ノ水界隈は日本の大学発祥の地でありますし、古書店が集まっていることでも知られます。カレーをはじめとして食べ歩きにもうってつけの地域です。晩夏の暑い時期ではありますが、ぜひ大会に参加していただき、発表や質疑応答で学芸に磨きをかけながら地域の文化も合わせてお楽しみいただければ幸いです。この大会が参加される皆さまにとって実り多いものとなることを祈念して挨拶といたします。

大会委員長
北山和宏

今年の日本建築学会大会は、明治23(1890)年の第1回大会から数えて125回目になります。その歴史の厚みのある全国大会が8月27日(火)〜30日(金)の4日間、千代田区にある明治大学駿河台キャンパスを主会場として開催することになりました。明治大学の前身の明治法律学校が駿河台に移転した同じ年に設立された建築学会の大会を明治大学で初めて開催し、皆さまをお迎えすることを大会実行委員長としてとても嬉しく思います。

今大会の会場周辺の駿河台及び神保町地域は、日本有数の大学発祥の地であり、明治時代から学生街として発達してきました。世界最大級の古書店街の歴史も、大学とその周辺で暮らす学生と無縁ではありません。明治時代の神田大火や101年前の関東大震災でほとんどの建築物が焼失しましたが、東京大空襲などの戦災に免れた歴史的建造物が少なからず残っています。一方、建築物の不燃化や耐震化、そして高層化が進み、その街並みが大きく変わってきた地域でもあります。今年の大会は、そうした地域の「街なか」で行われます。

今大会のテーマは、「建築と暮らす」。まさに多くの建築に囲まれた今大会の会場と地域の歴史と文化がそれを表していますが、建築を人と対等の関係に見立て、アフターコロナの視点からポジティブなイメージで、程よく包括的で抽象的でもあることから今大会のテーマとして設定しました。もちろん今年の年頭に発生した能登半島地震の被災地に思いを馳せつつ、大災害時代の建築と暮らすあり方を考える機会にしていく意味も込められています。

東京の都心・千代田区での開催は、今から64年前の昭和35(1960)年の日本大学駿河台キャンパスでの開催まで遡ります。当時は明治大学建築学科も駿河台キャンパスにありましたが、その5年後に川崎市の生田キャンパスに移転しました。明治大学建築学科の総力を結集して今大会の準備・運営にあたる所存ですが、どうしても距離的なハンデもあり、大会実行委員会には日本建築学会関東支部の皆さまのほか、近隣の日本大学や共立女子大学などの皆さまにも実行委員として参加いただいています。明治大学建築学科及び大会実行委員会を代表して関係者の皆さまに感謝申し上げます。

さらには、今大会を地元として歓迎したいと、「本の街・神保町を元気にする会」をはじめ、千代田区商店街連合会、神田料理飲食業連合組合、神田古書店連盟、日本出版クラブ、東京文化資源会議などの地元関係団体の皆様から様々な申し出と多大なるご協力をいただいております。この場で感謝の意を表するとともに、大会参加の皆さまには、近くにある古書店街などの個性ある街を歩いて、本屋や飲食店などにお立ち寄りいただければと存じます。

最後に、今大会は盛夏の東京・都心での開催ではありますが、できるだけ多くの皆さまにご参加いただきますよう、また、皆さまのご支援とご協力により有意義に執り行われますよう心よりお願い申し上げます。

大会実行委員長
山本俊哉

2024年度の本会大会が関東支部において執り行われるにあたり、ご尽力されている関東支部の大会委員会委員長北山和宏先生(東京都立大学)、大会実行委員会委員長山本俊哉先生(明治大学)、および開催校である明治大学の皆さまを始めとする関係各位に深く感謝の意を表します。この大会を成功裏に終えられますように祈念いたします。

さて、来年度の大会は2025年9月9日(火)〜12日(金)までの四日間にわたって、九州大学の伊都キャンパスを主会場として開催される予定です。大会実行委員会を引き受けていただいた九州大学大学院人間環境学研究都市・建築学部門の末廣香織先生、同大学院芸術工学研究院環境設計部門田上健一先生を始めとする九州支部の先生方、および九州大学の関係各位に深く御礼申し上げます。なお、来年の大会開催は対面およびオンラインを併用する予定です。

九州大学の伊都キャンパスは、「時代の変化に応じて自律的に変革し、活力を維持し続ける開かれた大学の構築」、「それに相応しい研究・教育拠点の創造」をコンセプトに、箱崎地区、六本松地区、原町地区のキャンパスを統合移転し、福岡市西区元岡・桑原地区、糸島市(旧前原市、旧志摩町)にまたがっています。2005年(平成17年)10月には移転を開始し、2018年(平成30年)9月に移転が完了しました。糸島半島の豊かな自然と都市近郊にある利便性を活かし、産官学の連携によって整備される学術研究都市の核として、新キャンパス(伊都キャンパス)が稼動しています。本会大会(九州)は初めて九州大学での開催となりますが、皆さまにはお目にかかれますことを楽しみにしております。

最後になりましたが、今年度の関東大会に参加される皆さまにとって実り多いものとなることを願いつつ、わたくしの挨拶に代えさせていただきます。

2025年大会委員長
趙 世晨
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